キャン’s blog

音楽のことを中心に、超不定期更新。

Silent Siren 4thアルバム「S」

昨年は日本武道館公演を実現し、Mステへの出演、年末ライブは東京体育館で行うなど、今、人気上昇中のガールズバンド、サイサイが満を持して放ったニューアルバム。

言わずもがな、内容は素晴らしい。キラーチューン「チェリボム」から始まり、ポップロックからバラードまで、魅惑のサイサイワールドがてんこ盛り。


ライブを意識して楽曲をつくる彼女らだけあって、振り付けや合いの手のパートもしっかり入っており、なるほど聴けば思わずライブに行きたくなるアルバムだ。

しっかし、ひなんちゅ&あいにゃんのリズム隊の安定感とパワフル感たるや…そこら辺の男子バンドも躊躇してしまうレベルだ。ただただカッコいい。


相変わらずのクオリティだが、おっ?と思うところも幾つかある。

まず、今までのメジャーデビュー後のアルバムには全て1曲目に短めのインスト曲が収録されていた。
これが聴く体制を整えてワクワクするのに最適であり好きだったのだが、ニューアルバムではなくなってしまった。
個人的には復活して欲しいぞ。

また、サイサイの黎明期からアレンジャー、作曲家としてクボナオキ氏の次に尽力してくれたsamfree氏が、昨年31歳という若さで急死してしまった。

本アルバムには「レイラ」という楽曲で作曲のみ収録されているが、アレンジはほぼクボナオキ氏一人で行っている(実際はメンバーもアレンジしてるだろうけど)。

samfree氏はボカロPとして有名だっただけあって、作曲センスは勿論、アレンジに関しては印象のあるシンセのリフなど、センスの光る才能の提供をしてくれた。

sam氏を失ったことで、サイサイのサウンドはキラキラしたシンセ音はやや控えめになり、今までよりソリッドでシンプルになった印象を受ける。

ギターリフはテレキャスを多用したりと中々カッコ良いサウンドの仕上がりだが、シンセのリフは少々印象に欠け、若干単調である。ここは次のアルバムで少しバリエーションをつけて欲しいところだ。

とはいえ、渾身のバラード、「nukumor」のアレンジは洋楽テイスト感満載で、珠玉の出来であると思う。


若干苦言を申し上げたが、サイサイへの愛があってこその意見である事を許していただきたい。

各々の楽曲クオリティは本当に素晴らしいので、これからも聴き込んで、ライブ会場で楽しもうと思う所存である。


サイサイ最高だぜ。