キャン’s blog

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3月5日 片平里菜 中野サンプラザ(ネタバレあり)

片平里菜自身、初のホールツアーの初日を観させて頂いた。僭越ながらレポを書いてみようと思う。

 

2000人超のキャパながらソールドアウトしたそうである。日曜日ということもありながら、これは中々すごいことではなかろうか。これだけの人が、生で片平里菜の歌声を聴きたいと足を運ぶわけだから。

 

オープニングは中期のビートルズリボルバー」辺りを彷彿とさせる様な、サイケデリックなサウンドが鳴り響く。そこに幻想的な照明の演出が重なり、煙たいよろしく、正に「トリップ」してしまう様な感覚に陥る。時々入る「ギュイーン!」というサウンドはトディ(ギター)がテルミンを使っていたのだろうか。私は20列目なので暗いこともあり見えなかった。

 

オープニングを飾ったのは意外にも「始まりに」であった。これは意表を突かれた。この曲はライブでもラジオ番組でもエンディングで多用される為だ。

 

中盤「HIGH FIVE」や「Bad Girl」などのアッパーチューンがありながらも、全体的には片平らしいメロウなナンバーが並ぶ。

中でも珠玉だったのは個人的にも好きな曲、「舟漕ぐ人」だ。この曲をライブで披露する前、必ず曲についてのMCが入るのだが、何度聴いても泣いてしまう。ブルーのライトに照らされて凛とした声で歌う片平にすっかりと魅了されてしまった。

 

曲間のMCは、安定のグダグダである(笑)。一葉さんをいじりながらのグダグダトークは最早彼女の特権であろう。

 

喉の調子は、1月の2マンの時と比べたらだいぶ良くなっていたが、少々ハスキーで全快とは言えない様子だった。

それでも精一杯振り絞ろうとする姿にシンガーとしての意地を見た。

 

バンドメンバーも非常に豪華だ。

一葉さんのテクニカルでトリッキーなキーボードプレイはもはや魔法の様。

トディのアーミングを多用したスペーシーなギタープレイはモノアイズで見せるそれとは一線を画す魅力。

豊夢さんのやや低めにチューニングされたスネアと安定感たっぷりのタム回しは、流石としか言いようがない。

そしてグルーヴ感たっぷりにうねるスッティのベースは、しっかり片平の歌声を支えるかの様な安定感であった。

 

アンコールの「最高の仕打ち」はマイクがあったとは言え、バンドなしの弾き語りだ。

喉の心配を振り払うようなパワフルかつソウルフルな歌声は、これぞ片平里菜と言わんばかりの圧巻のパフォーマンスであった。

 

締めの「結露」を歌っている途中に片平が泣き出すというハプニングがあった。

きっと色々な感情が込み上げていたのであろう。遂にホールでのライブ、しかもソールドアウト。完全に本調子ではない中で懸命に絞り出した気持ち。歌に込められた想い。その他にも私が知らない理由もきっとあるのであろう。思わずもらい泣きしてしまった。

 

 

とても心暖まる、ホールだけどアットホームなライブだったと思う。今後の活躍も楽しみである。